令和8年度

総合研究プロジェクト

現代社会と浄土宗寺院や教師との関連で生じる課題の研究。葬祭や開教など信仰に直結した研究テーマに加えて、寺院や教師が大きな翻弄されるような急激な社会変化に対して教団の採るべき対応策を考えることも重要なテーマです。

 

これまでのテーマ)葬祭の現状調査/国内・海外の開教/過疎地寺院の問題/次世代継承の問題/生命倫理問題への対応(脳死臓器移植、生殖補助医療、再生医療)/浄土宗寺院の社会福祉・公益性/終末期医療への対応/自然災害への教団としての対応、など

 

四十八軽戒の現代的理解

 現在、浄土宗教師養成課程において、四十八軽戒の戒相まで学ぶ機会は少ない。したがって、教師ですら四十八軽戒の条項や一々の戒相については、理解が不十分である傾向があるように思われる。そこで、まず教師自身が、四十八軽戒の条項や一々の戒相を正しく理解したうえで、現代社会に戒の精神を伝え、実践につなげてゆくことが必要であると考える。

 本研究班の目的は、四十八軽戒の条項や一々の戒相について、制定意図を踏まえたうえで、現代的解釈を施し、一般・檀信徒に対し、戒に基づく生活を勧める一助となる試案を提示することにある。具体的に四十八軽戒の一々の条項をキャッチコピー化して、掲示伝道やSNS等を通し広く発信していきたい。

寺院運営の総合的研究

 総合研究所では現代の寺院を取り巻く社会状況の変化を踏まえ「これまで求められなかったような寺院運営の知識」の形成を目指し「次世代継承に関する研究」を行ってきた。その成果は総研叢書第14集(令和7年度末発刊予定)にまとめられる。これによって門葉寺院は、総合研究所の提示した寺院運営の知識を実践することが可能となる。各寺院において新たな寺院運営が行われるようになれば、それを正しく評価する必要が生じよう。しかしながら、現在、寺院運営を評価する枠組みが存在しない。それは、取り組みの成果が寺院にどのような影響を及ぼしたのかを判断することが出来ないということである。このため寺院運営を評価する枠組みの作成が急務である。以上が本研究を行う背景と動機である。

 本研究は「寺院運営を評価する枠組みの作成」を目的とする。寺院の運営には宗教的側面と世俗的側面とがある。宗教的側面としては葬儀や年回法要、また定期法要などの儀礼、また日常の檀信徒などの相談対応など寺院運営の核となるものである。一方で、経理や納税、また墓地管理などは法礼などに則って適切に処理しなければならない。また寺院の社会貢献として、災害時の避難者受け入れや地域との連携などもよりよい寺院運営の重要な要素である。このように寺院運営の評価軸は多岐にわたるものであり、その評価の枠組みには総合的な研究が求められる。そこで本研究は総合研究プロジェクトとして多分野の専門家によって、そのような評価の枠組みの構築することを目的とする。

女性教師の現状と今後の展望

 全国的に広がる人口減少の流れに呼応して浄土宗教師の数も減少傾向にある中、女性教師の数も増加し相対的比率も上がってきている(平成27年→令和5年の浄土宗寺院統計で実数は939人→973人、女性教師率は8.64→9.23)。さらにはこれまで住職の補佐的役割として法務を行うことを主眼にしていた女性教師もいた中で、人口減少に伴う男性教師数の低下や婚姻率の低下から今後はご自身が住職(代表役員)となることを前提として資格を取得する人の数も増えることが予想される。一方で旧来の寺院、住職を取り巻く環境は男性教師が勤めることを前提として構築されている部分もあり、そのことが女性教師にとって違和感を感じたり、僧侶としての活動範囲を狭めたりする結果となっている可能性もある。他宗では女性教師に対するアンケート調査などを通してそうした課題への取り組みが行われ始めており、浄土宗内でも女性教師に関しての会の設立など行われている中で、先行事例を参考にしながら、浄土宗の女性教師が現在抱えている課題の有無を調査することを目的とする。

 本研究は他宗派にて行われている各種調査、すでに浄土宗内で行われている女性教師関連の活動を調査した上で、宗務庁関係部局と連携しながら女性教師の実情を主に以下の3点から考察し、その解決策を模索することを目的とする。

① 資格取得までの道のりと課題

② 法務、寺院運営、寺院で生活をしていく上での課題

③ キャリアプランに関する課題

法然上人の平和思想

 ロシア・ウクライナ間やイスラエルのガザ地区への侵攻など、今日においても戦争、紛争は各地で続いている。近時、台湾有事の可能性が高まっているとも指摘されており、日本にとっても決して対岸の火事では済まされない事態であると言えよう。

 大多数の人々は戦争を望んでなどいないであろう。しかし昨今の国際情勢や国内世論を鑑みるに、従来の「平和主義」に対する懐疑や批判の声も強い。私たちは浄土宗の立場から、このような現実に対してどのように向きあい、何を語り、どう行動したら良いのであろうか。

 当プロジェクトでは、こうした問題意識に対応すべく、法然上人の教えや行跡から視座や立脚点、思索の端緒を探ることを目指したい。

この研究はあくまでも基礎研究であり文献研究として行う。法然上人のお考えが、時代も違い社会背景も異なる今日にそのまま適用できるとは限らないが、現代社会が直面する深刻な問題である戦争に対して、宗派・教団として、また一僧侶としてどう対応していくのかを考えるための基礎が提供できればと考えている。

浄土宗寺院における社会貢献活動の理論構築に関する研究

 これまでの研究プロジェクト「特定課題に向き合う浄土宗寺院の社会貢献活動の研究」において、浄土宗寺院が地域社会において展開している社会貢献活動の多くが、専門職に限定されない多様な担い手によって実践されていることが明らかとなった。僧侶・寺族・檀信徒・地域住民等が関与し、高齢者支援や介護、子ども支援、災害支援など、現代社会が直面するさまざまな課題に対して、地域の実情に即した柔軟な取り組みが各地で行われている実態が確認されている。一方で、こうした社会貢献活動は、担い手の属人的努力に依存する側面も大きく、活動の継続性や人材育成の仕組み、さらには宗としてどのような理念に基づいて支援するのかといった点については、なお整理すべき課題が残されている。本研究では、前期までの研究成果による実態把握を踏まえつつ、これらの社会貢献活動をいかにして持続可能な形で展開し、宗の施策に位置づけていくための理論構築を行うことを目的とする。研究体制の変更を契機に、個別事例の分析にとどまらず、浄土宗全体に還元可能な社会貢献の理論の構築を目指す。

 本研究は、浄土宗寺院が地域社会において担ってきた多様な社会的実践を理論的に整理し、宗門として共有可能な社会貢献理念および概念枠組みを構築することを目的とする。とりわけ宗教社会貢献に関する国内外の理論・概念を整理・比較分析するとともに、浄土宗における社会貢献の歴史的展開と理念形成の過程を再検討することに重点を置く。近年浄土宗寺院では、僧侶のみならず、寺族、檀信徒、地域住民など、専門職に限定されない多様な担い手が関与し、高齢者支援、介護、子ども支援、災害支援など、現代社会が直面する諸課題に応答する実践が積み重ねられてきた。しかし、それらの活動は必ずしも「社会貢献」として、理論的に位置づけられ、宗門内外に十分に説明・共有されてきたとは言い難い。本研究では、こうした現場の実践が有する意義や価値を、宗教社会学、社会福祉論、社会教育学、公共性論等の理論的視点から整理し、寺院活動が自らを「社会貢献」として理解し、説明するための理論モデルを構築することを目指す。また、浄土宗がこれまで展開してきた社会福祉事業との関係性や役割分担についても理論的に整理し、各分野における連携のあり方を概念的に明確化する。これらの理論的検討を通じて、浄土宗二十一世紀劈頭宣言「社会に慈しみを」を現代社会においていかに具体化し得るのかを明らかにするとともに、宗の施策立案や宗門内教育・研修(教師研修、教学カリキュラム等)に還元可能な基礎資料を作成することを、本年度研究の到達目標とする。

応用研究プロジェクト

教学、布教、法式の基本的知見を布教教化に応用するための研究。経典や御法語の研究成果を現代社会に対応した念仏生活の指針としてまとめ上げる、念仏を弘めていくための幅広い布教活動を取り上げる、伝統的な法要を音声や建築などさまざまな観点から見直す、など様々なことが研究テーマとなります。

 

これまでのテーマ)浄土宗典籍の英訳/『続浄土宗全書』の電子テキスト化/『縁の手帖』の作成/浄土宗の近世・近現代史の研究/僧侶生活訓の作成/パネルシアターの作成/法話に対する一般聴者のアンケート調査/新たな法要の作成・実演/日常勤行式の多言語化、など

「和語灯録」現代語訳の研究

『浄土宗聖典』所収の基本典籍の現代語訳書籍は、宗学・教学の研究、布教現場などにおいて必要であり、その充実を期すため、継承企画として、「和語灯録」(『浄土宗聖典』4巻所収)の現代語訳を進めていく。すでに浄土宗総合研究所のご法語班において、全文・半分程度・未訳などの割合は様々であるが、「和語灯録」所収のご法語の多くが現代語訳されており、そのノウハウ・人的資源も蓄積されている。当プロジェクトでは、それらの資産を大いに活用して、着実に成果を公表し、速やかに「和語灯録」の全現代語訳を成し遂げていきたい。

当プロジェクトは、宗学・教学の研究、布教現場などにおいて必要な『浄土宗聖典』所収の基本典籍の現代語訳書籍、その充実を期すべく、「和語灯録」(『浄土宗聖典』4巻所収)の現代語訳を継続して行うことを目的とする。 令和8・9年度については、『黒谷上人語灯録』巻第15(「和語第2之5 当巻に3篇あり」)の現代語訳を進めたい。

外国語浄土宗教化資料の作成

 当研究班は、『浄土宗日常勤行式』をはじめ、引導表白を英語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、中国語などに翻訳し、その過程で多言語化研究を通して、海外開教区との繋がりも築き、各言語への翻訳体制が整っている。社会部との連携を前提として海外開教区からの要望に積極的に応えていきたい。加えてインターネットの普及により、外国語で説明できるものが必要と考えている。

 当研究は、浄土宗劈頭宣言にある「世界に共生を」を具現化するため、海外にいる人々に、浄土宗の教えとしきたりを周知する。これから日本の寺院が外国人を受け入れる可能性を考えて、日本に住む外国人が理解可能な簡潔な資料の作成を考えている。

浄土宗基本典籍の英訳研究

 法然、浄土宗関係の英語出版物は極めて少ないため、浄土宗の教えを世界に発信するには、まず浄土宗基本典籍の英訳作業を行い、それらを出版、公表する必要がある。

 本プロジェクトは浄土宗21世紀劈頭宣言である「愚者の自覚を 家庭にみ仏の光を 社会に慈しみを 世界に共生きを」の理念に基づき、浄土宗の教えを典籍の翻訳作業、出版、デジタル媒体での公表、国際学会での発表、海外研究者や仏教者との交流を通じて、国内はもちろん世界へ劈頭宣言を発信することを目的とする。

法然上人漢語文献『無量寿経釈』の研究

 本研究会は、法然上人の文献を、教師をはじめ広く届けることを目的とし、法然上人の漢語文献の書き下しを作成することを目的とする。その一環として『漢語灯録』の書き下し作業を行うことを目的とし、令和6年度までは1、『無量寿経釈』の書き下し、令和7年度は2、『観無量寿経釈』の作業を途中まで行った。令和8年度は引き続きの『観無量寿経釈』の作業を行い報告したい。テキストとしては寛永版『三部経私記』を用いたい。

 さらにはWeb上で利用できるようにデジタル班と連携していきたい。基本典籍の編纂が行われることは、教えの根幹が広まることにつながり、多方面でこの成果が参照されることが期待される。浄土宗の思想、理解を広く世に提唱することにもなると考えている。

 基本典籍の編纂が行われることは、教えの根幹が広まることにつながり、多方面でこの成果が参照されることが期待される。浄土宗の思想、理解を広く世に提唱することにもなると考えている。

浄土宗関連情報デジタルアーカイブ研究

 情報化の進展に伴い、浄土宗学・仏教学・宗教学・宗教社会学などを含む人文科学分野の研究においても、情報処理技術を駆使して基本的な典籍を調査分析する方法論が一般的になってきた。

 当研究会では、これまでに開発し、運用しているコンピュータシステムの保守・管理を引き続き行いながら、新たな典籍の電子テキスト化を行い、デジタルアーカイブ構築を目指して研究を進める。常に、この分野における仏教界の牽引役を自任し、他教団のシステムとの連携も視野に入れて活動する。また保守・管理している浄土宗全書テキストデータベース、WEB版新纂浄土宗大辞典は、浄土学研究者が研究の発展のために用いるのみならず、広く一般の浄土宗教師が檀信徒教化の材料として大いに役立てることをも目的としている。

基礎研究プロジェクト

教学、布教、法式の基礎的な研究。浄土宗基本典籍の現代語訳の作成や布教および法式に関する伝統的な資料の活用など、多人数で取り組むべきテーマが中心となります。また、布教と法式の研究的な側面に関する宗内唯一の機関であり、重要資料のアーカイブも行っています。平成28年には教学・布教・法式の各分野の研究者が協力して『新纂 浄土宗大辞典』が出版されました。

 

これまでのテーマ)浄土宗大辞典の編纂/浄土宗典籍の現代語訳(浄土三部経、『法然上人行状絵図』、善導『観経疏』、法然上人ご法語)/阿弥陀仏の表現/五重相伝・授戒会の実態調査/近世布教指南書の現代語訳/声明・特殊法要の研究/講式の再現/伝統的葬送儀礼の調査、など

教学研究Ⅰ(東京)

 本研究班では、昨年度に引き続いて東大寺図書館所蔵『安養抄』を取り上げ、本書の精査を通じて、法然浄土教の同時代性と思想的背景の考察を進める。この『安養抄』というテクストは、宇治大納言源隆国が延久2年(1070)頃、平等院南泉坊で比叡山の僧侶たちと共に編纂した論義用要文集である『安養集』を受けて、おそらく論議用資料として成立した書物である。その成立時期は平安後期頃とされる。本書では教理的問題に関する計86論題を挙げて、それに関する要文を諸経論から抄出している。本書は、隨・唐以降、日本の平安中期に至るまで種々の人師が論じてきた教理的問題、およびそれに関する膨大な教文と論文を網羅的に整理した独特な文献である。

 本研究班は『安養抄』の古写本(東大寺図書館蔵、平安末書写)を底本とした大正蔵本を使用し、適宜に東大寺蔵古写本の紙焼き写真も参照しつつ、『安養抄』の内容の解読、あるいはその引用文献の典拠の調査、『安養抄』と『安養集』の比較検討などを行っている。またそれを通じて、『安養抄』に立てる種々の論題について、それに関する議論が隋・唐や新羅、および日本の平安期においていかなる展開を見せるのかという、教理史的視座からの考察も進めている。

 このような研究によって、中国・朝鮮の浄土教理の内実、およびそれが日本の平安期にどのように受容されたのかなどについて、総体的かつ仔細に明らかにすることができる。換言すれば、『安養抄』の詳細な研究を進めることによって、平安後期すなわち法然の同時代の浄土教理がいかなるものであったのかを、新たな視座から解明し得る。

教学研究Ⅱ(京都分室)

 分室設置プロジェクト「教学研究II」は、現在の浄土宗の基盤を江戸期の事跡からの流れとして根拠づけ、それによって現代の問題に対処するための教学等の根拠を提示することを目的とする基礎研究である。令和元年度までは、義山『浄土三部経随聞講録』の読解と『蓮門精舎旧詞』等から情報を収集した江戸時代浄土宗人物志の作成を行ってきた。加えて、令和2年度よりは、四休庵貞極の著作の研究を開始した。教学、布教、法式など、浄土宗僧侶に関わる多くの分野で、後世大きな影響を残しているにも関わらず、四休庵貞極に関しての先行研究は限られている。過去に分室で行った文献調査等、各プロジェクトの資産を活用することもできることから、本年度も引き続き、四休庵貞極に関連する文献の講読、資料の収集と分析を行う。

 必要な資料と情報の収集・整理と比較・分析を行い、『四休菴貞極全集』のテキストの問題点を確認すると共に、江戸時代の浄土宗の状況と貞極の後世に与えた影響を窺い知ることのできる資料を作成するための精読を行う。

布教研究 『法然上人のご法語』を用いた布教研究 ―伝道御法語集の作成―

 当研究班は、寺院・僧侶の布教教化活動について、主に布教師の視点から研究を行うものである。

昨年度まで当研究班では、『三部経』説教について研究し、讃題・フレーズ集を作成してきた。そもそも、この研究は現在の浄土宗教師が行う説教において、総本山知恩院『元祖大師御法語』(前篇・後篇)から「讃題」を挙げることに慣れすぎているのでないかという問題意識から始まったものであった。この問題は、法然上人の御法語に限定してみても同様で、『元祖大師御法語』以外にも数多くある法然上人の御法語を壇信徒や一般聴衆にお伝えする機会が少なくなっているのではなかろうか。

 このような問題意識のもとで、私たち浄土宗教師が多くの法然上人のお言葉を味わい、そのお言葉を檀信徒や一般聴衆にお伝えする機会を増やしていく為にこの研究を行うものである。浄土宗総合研究所編訳『法然上人のご法語 第一集 消息編』(文庫版)から伝道に用いやすい、いくつかの御法語を選定し、「伝道法語集」を作成する。(選定した御法語に、キャッチフレーズ、背景と解説、伝道実例とそのポイントを付す)尚、消息編を選んだ理由は、法然上人の御消息は上人が個々の人々に応じて対機的にお念仏のみ教えを説かれたものであり、私たちの布教教化に資する御法語が数多くあると考えられるからである。この研究成果を報告することにより、浄土宗教師に多くの法然上人のご法語を味わってもらい、そのお言葉を用いて、高座説教から日常の法話、文書・掲示伝道等の幅広い場面において、布教教化活動に活かしてもらうことを目的とする。成果報告内容:『法然上人のご法語』伝道御法語集(『教化研究』に掲載)

法式研究

 法式関係の研究班は「現代教化儀礼の研究」をテーマとして、現代教化儀礼の構築と伝承儀礼の保存という内容を研究対象としてきた。過去には特殊法要に注目し、一部で伝承され修されているもの、寺院によって独自に修されているもの、経本法則本は存在するが現在は修されていない法要の復興伝承を目的としてきた。また復興伝承だけでなく、現代に対応すべく内容の要約化、一般寺院で行えるよう少人数でも修せるように簡略化を行い、次第を新たに作成し現代版として提案してきた。近年は『浄土宗法要集』を中心に後世に正しく伝承していくため各種法要を映像化し記録している。また、法式を学ぶ後進の育成のため、まずは江戸期の浄土宗の法式関係書の研究をし、解説を作成していきたい。

 儀礼の伝承は経本法則本とそれを修してきた寺院と、それに関わる人の記憶によって伝承されているが、本研究班ではそれらを映像化し、今後各々が修すための参考となるものとしたい。法式は『浄土宗法要集』に基づいて行うことになっており、現在『浄土宗法要集』の威儀部・犍稚部並びに「日常勤行式」は映像化されているが、差定部に所載の各種法要は映像化されていない。そのために主だった法要次第を映像化し、設え等も含め、地域性・独自性を持たせず、『浄土宗法要集』に極力忠実なものとして、今後修する場合の参考になるものとして保存を目的とする。併せて研究所にて以前に撮影、録音されたものをデータ化して、活用できるようにする。また、江戸期の浄土宗の法式関係書は種々存在するが、影印など公開されているものも少なくなく、法式を学ぶ者がこれら江戸期の法式関係書に触れることは可能であるが、実際の読むとなると慣れない者には読みにくいのが実情である。そのために法式を今後学ぶ者が学びやすくできるように、後進育成を目的とし研究をし、解説を作成していく。

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